柳の花言葉

私は男なので、花言葉などについては、あまり興味が無いのですが、民俗学やフォークロアの本などを読んでいると、植物に関して、そうした知識が記されている場合が時々あるので、そうして得た知識の一部を披瀝してみたいと思います。

柳に花言葉があろうとは思いもしなかったのですが、欧米ではたいていの花の咲く植物には花言葉が有るようですから、それ自体は別段驚くほどのことではないのかもしれません。

英語圏ではしだれ柳を、泣いている柳と表現します。花言葉としては、イギリスでは死者への嘆き、フランスでは憂鬱、悲哀、耐え難い苦しみといった意味になっています。

柳が哀愁のシンボルになっているというのは、その枝をたれている悲しげなイメージから何となく分かるような気がしていたのですが、実際にはその形状に由来するわけではないのだそうです。

旧約聖書の詩篇に、虜になったユダヤの女たちが、バビロンの川のほとりに座って、故郷のパレスチナの山を思い出して涙を流し、歌をうたう元気も無く、岸の柳に琴をかけた、という様な記述があり、ここに柳の悲哀という花言葉の起源があるということです。

また、フランスの詩人アルフレッド・ド・ミュッセの墓碑銘には、私が死んだら、私の墓に柳の木を植えて欲しい。

私はその涙ぐましい葉が大好きだという様な文句が刻まれていて、彼の希望通り、一本の柳の木が植わっているのだそうです。

このように悲哀という花言葉が広く定着している柳ですが、それと全く関連の無い意味もあるようです。

フランスの花言葉で、あなたはいつの時でも私を喜ばせる、従順、やさしさ、という意味で使われる場合があるようです。

これは、柳の葉が風に従順に従うことからできた寓意のようです。従順な女性を喜ぶ男性はどこの国にも、多いと見えます。


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